愚直であれ,馬鹿であれ

スティーブ・ジョブズスタンフォード大学2005年卒業式で語った「Stay hungry,Stay foolish」について考える。
この言葉は,スピーチにある通り,スチュアート・ブランドによる「全地球カタログ」という本からの引用である。
これは,「貪欲であれ,愚直であれ」という意味である (スティーブ・ジョブズの感動スピーチ(翻訳)字幕動画)。意訳なら「若さを失うな」というのもありだろう (Open ブログ: ◆ Stay hungry,Stay foolish とは?)。ただし,これは特定の人たち,ここではスタンフォード大学の卒業生に向けた場合である。

  • Stay hungry 貪欲であれ → 貪欲に目指せ
  • Stay foolish 愚直であれ → 愚直に進め

しかし,これを特定でない一般の人たちに向けて,しかも製品を売っている企業の最高経営責任者が言った場合には,違う意味になるのではなかろうか。「使用者がとんでもない愚者だと仮定してチューンするからこそ大多数の人にとって使いやすくなる」(ストールマン、ジョブズについて「彼は監獄をクールにしたパイオニアだ」と述べる | スラッシュドット・ジャパン オープンソースのコメントより) からである。つまり,

  • Stay hungry 貪欲であれ → 貪欲にうちの製品を買え
  • Stay foolish 馬鹿でいろ → うちの製品は馬鹿でも使える

ということだ。
結局,その者が愚直であれ,馬鹿であれ,製品は買えと (「であれ」の使い方が若干違う)。
Stay foolish, stay foolish...