グローバルいんちき的断り方

乙武氏の一連のツイート 乙武洋匡さん、銀座の「TRATTORIA GANZO」に「車椅子だから」と入店拒否される(追記あり) - Togetter から始まった今回の騒動。
私は単にコミュニケーションの下手さが原因なのだと思う。レストランの店長は,乙武氏にも満足なサービスはできないだろうし,店内にいる客のサービスも低下すると考えたのではないか。しかし,その後がまずくて,「うちのスタイル」みたいな表現しかできなくてこじれたと。しかし,それもこれも伝聞でしかないので やっぱりすっきりしない乙武レストラン問題 - novtan別館 さんと同じようにモヤモヤするのである。
さて,この騒動は「入店拒否は人権問題」だと見る考え方がある。実は私もよく分かっていなかったのだが,@tyk97さん連続Tweet:乙武さん入店拒否の件から考察する「グローバルいんちき」というプロトコル - Togetter を読んでみると,人権問題かどうかは,レストランなら「入店できるか」,飛行機なら「搭乗できるか」どうかが問われていることが分かる。入店してからどこの席に案内されるかとか,どんなサービスを提供するかは差別ではなくて,入店させないことが差別だと見るのだということが分かった。
だとすれば,店には人権問題にならないグローバルいんちき的「断り方」というのもあったのではないかと思うのだ。それは,例えば
「ご入店くださればサービスいたします」
というものである。車椅子は外に置き去りになるかも知れないし,階段を自力で上れば服が汚れるかも知れない。しかし,それは客の都合である。服が汚れていても料理は出すのであれば問題ない。「店に入るな」と言わず「店に入れ」と言うのである。「グローバルいんちき」というのは建前のことである。店側は「店に入れ」と言うことですべての客にサービスをするという建前を通す。実際,来て欲しくないと思っていないのだからそれは本音だろうし。それを「断られた」と感じるかどうかは客側の問題なのである。
本音を言うにも言い方に気をつかわなきゃならんとはなんとも面倒な世の中である。